💼 しごと

年収の壁は「103万」ではなくなった|2026年に効いている5本の線を整理する

この記事でわかること

  • 「103万円の壁」は2026年分では178万円まで動いている
  • 壁は税金の壁と社会保険の壁の2種類あり、痛みの大きさが違う
  • 2026年10月から106万円の賃金要件が撤廃され、実質「週20時間の壁」になる
  • 130万円の壁は2026年4月から判定の材料が変わっている

「103万円を超えないように働く」という言い方は、いま正確ではありません。税制改正で線そのものが動いたからです。しかも壁は1本ではなく5本あり、それぞれ超えたときに起きることが違います。

まず、壁は2種類に分かれる

ここを分けないと話が混ざります。税金の壁は、超えても手取りは急に落ちません。 超えた分に税率が掛かるだけなので、少しずつ増えます。一方で社会保険の壁は段差になります。 保険料の負担が新しく始まるので、超えた直後は手取りが下がることがあります。

種類超えるとどうなる
110万円住民税住民税(所得割)がかかり始める。緩やかに増える
178万円所得税(2026年分)自分に所得税がかかり始める。緩やかに増える
106万円社会保険(自分)厚生年金・健康保険に自分で加入する。段差になる
130万円社会保険(扶養)家族の健康保険の扶養から外れる。段差になる
169万・207万円配偶者特別控除配偶者側の控除が減る。段階的に減る

← 表は横にスクロールできます →

金額はいずれも給与収入ベースの目安です。住民税の非課税基準額は自治体ごとに加算額の定めがあるため、実際のラインは市区町村によって数万円前後します。

税金の壁は、2つとも上に動いた

いわゆる「103万円の壁」は所得税の壁です。2024年分までは103万円でしたが、令和7年度税制改正で2025年分は160万円に、令和8年度税制改正でさらに2026年分は178万円(基礎控除104万円 + 給与所得控除の最低保障74万円)に引き上げられました。

住民税のほうは、給与所得控除の最低額が55万円から65万円に引き上げられたことに伴い、従来「100万円の壁」と呼ばれていたラインが110万円に上がっています。

106万円の壁は、2026年10月になくなる

現行(2026年9月まで)の条件は、従業員数51人以上の会社等で、週の所定労働時間20時間以上・雇用期間の見込みが2か月超・学生でないに加えて、月額賃金8.8万円(年収換算で約106万円)以上、というものです。

2026年10月から、この賃金要件(月8.8万円 / 年106万円)が撤廃される予定です。 週20時間以上・51人以上などの他の条件を満たせば、年収に関わらず加入対象になります。つまり実質的に「週20時間の壁」へ置き換わります。企業規模要件(51人以上)自体は2026年10月時点では維持され、2027年以降さらに段階的に引き下げられる見込みです。

130万円の壁は、判定の材料が変わった

家族の健康保険等の被扶養者になれるかどうかの基準です(60歳以上または障害者手帳をお持ちの方は180万円)。2026年4月1日から認定基準が変更され、これまでの「残業代等を含めた年収見込み額」ではなく、労働条件通知書などに記載された契約上の基本収入で判定されるようになりました。

そのため、繁忙期に一時的に残業代が増えただけでは扶養から外れにくくなっています。年末に慌てて勤務を減らす、という調整の必要性は以前より下がりました。

配偶者特別控除は「壁」というより坂

2026年分では、169万円までは満額38万円の配偶者特別控除を配偶者側が受けられ、そこから段階的に減って207万円で0円になる、というのが目安です。急に消えるのではなく坂になっているので、この区間で働き方を細かく調整する意味は小さくなっています。

結局、どう考えればいいか

  1. 税金の壁(110万・178万・169万/207万)は、超えても段差にならない。 気にしすぎる必要はありません。
  2. 社会保険の壁(106万・130万)だけが段差になる。 調整するならここです。
  3. 2026年10月以降、106万の判定は週20時間に移る。 勤務先が51人以上なら、いまのうちに労働時間を確認しておくと判断が早くなります。

よくある質問

Q. 103万円の壁はもう無いのですか。
所得税がかかり始めるラインという意味の壁は残っていますが、位置が動きました。2025年分は160万円、2026年分は178万円が目安です。
Q. 106万円の壁が撤廃されると、扶養内で働けなくなりますか。
週の所定労働時間が20時間未満であれば、引き続き加入対象外の見込みです。撤廃されるのは賃金の要件で、時間の要件は残ります。
Q. 住民税の110万円は全国共通ですか。
共通ではありません。住民税の非課税基準額には自治体ごとに定める加算額があるため、実際のラインは市区町村によって数万円前後します。正確な金額はお住まいの自治体にご確認ください。
Q. 勤務先の従業員数はどこで確認できますか。
社会保険の適用判定で使う人数は、厚生年金保険の被保険者数を基準に数えます。総務・人事に確認するのが確実です。
Q. このチェッカーは何を出しますか。
年収・週の労働時間・勤務先の規模・誰の扶養かを入れると、5本の壁のうち自分に関係するものだけを、現在と2026年10月以降で並べて出します。無料・登録不要で、入力は端末の中だけで処理されます。

この記事の出典

制度は改正されます。手続きをする前に、必ず上記の一次資料または 所管の窓口で最新の内容をご確認ください。

あわせて読む

同じ運営者の無料ツール