築年月では耐震基準は分からない|1981年・2000年の境目と、ずれが起きる理由
この記事でわかること
- 耐震基準は「建築確認の日」で決まり、築年月ではない
- 確認から竣工まで戸建てで約半年、マンションで約2年かかる
- 境目は1981年6月・2000年6月・2025年4月の3つ
- 木造では2000年6月の境目が実際の被害と強く対応している
「1981年6月以降に建てられていれば新耐震だから安心」という説明をよく見ます。これは半分だけ正しい言い方です。基準が切り替わったのは建築確認を受けた日で、不動産広告に出ている築年月は建物が完成した日だからです。2つの間には時間が空いています。
基準が決まるのは、着工より前
建物は「建築確認 → 着工 → 竣工」の順で進みます。適用される耐震基準は、いちばん最初の建築確認の時点で確定します。 一方、私たちが目にするのはいちばん最後の竣工年月です。
| 建物の種類 | 建築確認から竣工までの目安 |
|---|---|
| 一戸建て | 半年から1年ほど |
| マンション | 2年前後かかることもある |
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境目は3つある
| 建築確認の日 | 呼び名 | 何が変わったか |
|---|---|---|
| 1981年5月31日まで | 旧耐震基準 | 震度5強程度で倒壊しないことを求めていた時代の基準 |
| 1981年6月1日から | 新耐震基準 | 震度6強〜7でも倒壊・崩壊しないことを目標に、必要な壁の量が引き上げられた |
| 2000年6月1日から | 2000年基準 | 木造で、地盤・接合部の金物・耐力壁の配置バランスが規定された |
| 2025年4月1日から | 2025年基準 | 屋根の軽重による区分をやめ、建物の実際の重さから必要壁量を算定する方式になった |
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木造では、2000年の境目が実際の被害と対応している
1981年だけが語られがちですが、木造住宅では2000年6月の改正で規定された3か所が効いています。阪神・淡路大震災のあとに弱点として整理された部分です。
- 地盤 — 基礎を地盤の耐力に合わせることが規定され、地盤調査が事実上必須になりました
- 接合部の金物 — 柱や筋かいをつなぐ金物の種類・性能・位置が定められました
- 耐力壁の配置バランス — 壁が片側に偏っていると、揺れたときにねじれるように動きます。この配置の基準(4分割法)が入りました
国土交通省の委員会報告書には、2016年の熊本地震で益城町中心部の木造1,955棟をすべて数えた調査(悉皆調査)の結果が載っています。震度6強または7が2回計測された地点の周辺という条件つきの数字です。
| 建てられた時期の区分 | 調査棟数 | 倒壊・崩壊した棟数 |
|---|---|---|
| 旧耐震基準 | 759棟 | 214棟 |
| 新耐震基準(1981年6月〜2000年5月) | 877棟 | 76棟 |
| 2000年基準(2000年6月以降) | 319棟 | 7棟 |
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正確な日付を確認する方法
- 建築確認済証・検査済証を探す。 家を建てたときの書類一式に入っていることが多く、ここに建築確認の日付が書かれています
- マンションなら管理組合または管理会社に聞く。 分譲マンションでは管理組合が写しを保管していることがあります
- 見つからなければ市区町村の建築指導課へ。 建物のある自治体で「台帳記載事項証明書」を取ることができます
まとめ
- 耐震基準を決めるのは建築確認の日。 築年月とは半年から2年ずれます
- 境目は1981年6月・2000年6月・2025年4月の3つ。 木造では2000年も効きます
- 境目の前後では築年月だけで判定しない。 建築確認済証か台帳記載事項証明書で確認します
- 地震保険の建築年割引は竣工年月で見る。 耐震基準の判定とは別の話です
よくある質問
- Q. 築年月が1981年6月以降なら新耐震基準ですか。
- 必ずしもそうとは限りません。基準は建築確認の日で決まり、確認から竣工までには戸建てで半年前後、マンションで2年前後かかります。境目の直後に完成した建物は、建築確認済証などで日付を確認する必要があります。
- Q. 建築確認済証が見つかりません。
- 建物のある市区町村の建築指導課で「台帳記載事項証明書」を取得できます。建築確認の年月日や建築主などが記載されています。マンションの場合は管理組合や管理会社が写しを保管していることもあります。
- Q. 旧耐震だと判定されたら、住み続けてはいけませんか。
- 当サイトはそうした判断はしません。判定はどの基準で建てられた建物かを示すところまでで、実際の強さは個々の建物の状態によります。次の段階は耐震診断です。自治体によって診断や改修の費用を補助している場合があります。
- Q. 耐震診断の補助はいくらもらえますか。
- 補助の有無・金額・条件は市区町村ごとにまったく異なるため、当サイトでは金額をお示ししていません。「お住まいの市区町村名 耐震診断 補助」で検索するか、役所の建築住宅課にご確認ください。
- Q. この判定ツールは何を出しますか。
- 築年月・構造・建て方から、確実に満たしていると言える耐震基準と、ひとつ上の基準かもしれない場合はその可能性を分けて表示します。断定できないところを断定しない作りにしています。無料・登録不要で、入力は端末の中だけで処理されます。
この記事の出典
- 国土交通省「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会 報告書」
- 国土交通省「建築基準法の改正について(2025年4月施行)」
- 財務省「地震保険制度の概要」
- 国土交通省「住宅・建築物の耐震化について」
制度は改正されます。手続きをする前に、必ず上記の一次資料または 所管の窓口で最新の内容をご確認ください。